e日本語教育研究所

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September 15, 2016 By Kay

東京物語-帝国ホテル-第7章

東京物語とうきょうものがたり–帝国ていこくホテル-第だいⅦ章しょう

撰文:まゆみ 翻訳:小鱉  録音:ハセガ

(第6章)

席せきで会計かいけいを終おえ、立たち上あがった時とき、瑠美るみがふらついた。俺おれは慌あわてて支ささえ、初はじめて瑠美るみの肩かたを抱だいた。瑠美るみは、俺おれが思おもっていたより酔よっていた。

支配人しはいにんが心配しんぱいそうに近ちかづいて来きた。

在位子上結了帳、站起身時,瑠美身形晃了晃。我慌忙攙扶住她,這是我第一次攬了她的肩。瑠美比我想得還要醉。
經理一臉擔心地走了過來。

「スイートあるかなぁ?」「給我開間房吧?」

「かしこまりました。」 「遵命。」

表情ひょうじょう一ひとつ変かえず足早あしばやに去さった支配人しはいにんが戻もどってきた時ときには、インペリアルフロアのスイートルームのカードキーを持もっていた。

當一點表情都沒變地快步離開的經理回來時,手裡拿著最頂級豪華的皇家樓層的套房鑰匙。

「ありがとう。実じつは、今夜こんやプロポーズしたんだよ。」と俺おれが言いうと、「私わたしたち、結婚けっこんするんです。今日きょう、小島こじまさんから・・・」と瑠美るみが支配人しはいにんの前まえに左手ひだりてを立たてて見みせた。

我說「謝謝。其實,今天我求婚了。」瑠美把左手伸到經理面前說「我們要結婚了。今天,小島先生向我…」

「それはそれは、おめでとうございます。おやすみなさいませ。」と満面まんめんの笑えみで支配人しはいにんは、俺おれたちをエレベーターまで送おくってくれた。
「這可真是太恭喜了。那麼請休息吧。」經理笑容滿面地說,並把我們送到電梯口。

エレベーターの中なかで、瑠美るみと二人ふたりきりになると、俺おれは妙みょうに緊張きんちょうしていた。世よが世よなら、出会であうはずもない相手あいて、瑠美るみが俺おれの腕うでの中なかにいる。そして、それは、俺おれが待まち望のぞんでいた結婚相手けっこんあいてだ。今夜こんや、俺おれはその相手あいてから、結婚けっこんすることの返事へんじをもらった。しかし、俺おれは、今夜こんやは彼女かのじょを部屋へやまで送おく4ったら帰かえるべきなのか・・・だれかに、教おしえてほしかった。まるで、初はじめて女性じょせいと付つき合あった少年しょうねんのような気持きもちになっていた。

在電梯中只有我和瑠美兩人時,我感到緊張了起來。如果還是當年的那種情況下,不可能遇見的對象-琉美已經在我的懷抱中了。而且,是我所盼望的結婚對象。今晚,我從那個對象得到了接受我的求婚的回答。但是,今晚我把她送到房間後就應該回家嗎…?真希望有個人能來指點我一下。簡直就像是第一次和女性交往的年輕小夥子一樣的心情。

部屋へやに入はいり、瑠美るみを奥おくのベッドルームに連つれて行いき、上着うわぎだけ脱ぬがせると、ピーンと張はられたシーツの上うえに寝ねかせた。そして、冷蔵庫れいぞうこからミネラルウォーターを取とり出だし、グラスと一緒いっしょに枕元まくらもとに置おいた。瑠美るみは、意識いしきしてかしていないのか、とにかく俺おれに背せを向むけたままだった。後うしろ姿すがたの瑠美るみの曲線きょくせんは、ひどく艶なまめかしかった。しかし、手てを伸のばしてしまいそうな欲望よくぼうを俺おれは押おし殺ころすことにした。部屋へやの電気でんきを消けし、足元灯あしもととうだけ付つけると、俺おれは静しずかにベッドルームを出でた。

進了房間後,我把瑠美帶裡面的臥室,幫她脫掉外套,讓她睡在展平了的床單上。然後我從冰箱拿出礦泉水,和玻璃杯一起放在床頭邊。瑠美不知道還有沒有意識,總之她一直背對著我。瑠美背影的曲線非常豔麗。但是,我壓抑下快把手伸出去的慾望。把房間的電燈關掉、只留下夜燈後,靜靜地走出臥室。

リビングルームのテレビを付つけ、靴下くつしたを脱ぬぎ、ネクタイを外はずした。リモコンでカーテンを開あけると、暗闇くらやみの中なかに皇居こうきょの杜もりが見みえた。この日ひを迎むかえるまでに、俺おれはどれだけの金かね、時間じかんを使ったことか。とはいえ、金かねでは買かえない「名門一族めいもんいちぞく」への仲間なかま入いりも秒読びょうよみだ。いや、半分はんぶん手てに入いれたようなものだ。待まて、油断ゆだんしてはいけない。公おおやけになるまでは・・・そんなことを考かんがえながら、テレビをゴルフチャンネルに合あわせたまでは覚おぼえているが、ソファーで眠ねむってしまったようだ。カーテンが開ひらきっ放ぱなしだったので、窓まどの外そとが明あかるくなりかけているのが見みえる。テレビを消けすと、奥おくのバスルームから水みずの流ながれる音おとがする。どうやら、瑠美るみはシャワーを浴あびているらしい。朝食ちょうしょくには早はやいので、ルームサービスで、コーヒーとフレッシュオレンジジュースを頼たのんだ。

我到客廳打開電視,脫掉襪子、解開領帶。用遙控器打開窗簾後,看得見黑暗中的皇居。在這一天之前,我花了多少金錢和時間。雖然,加入金錢買不到的「名門一族」中這件事也已經進入倒數階段了。不、是如同已經快到手了的事了。是可以等待的、絕不能輕忽大意。直到公開前…我一邊想著這些事,雖然還記得有把電視轉到高爾夫頻道,但就這樣在沙發上睡著了。因為窗簾就這樣開著,所以可以看得見窗外天快亮了。我關掉電視後,從裡面的浴室傳來流水聲。好像是瑠美正在洗澡。距離早餐時間還很早,我請客房服務給我咖啡和新鮮柳橙汁。

そして、俺おれは再ふたたびテレビを付つけCNNニュースをぼんやり見みていた。瑠美るみがシャワールームから出でてきたようだが、あえて声こえをかけなかった。

ピンポーン。ルームサービスのチャイムに瑠美るみが返事へんじをし、奥おくから出でてきた。バスローブ姿すがたで慣なれた手てつきでルームサービスを受うけ取とるのを見みて、俺おれもシャワーを浴あびた。過去かこの汚よごれを全すべて流ながすかのように、力強ちからづよくボディタオルを動うごかした。

接著,我再次打開電視、心不在焉地看著CNN。瑠美好像從浴室出來了,但沒有和我說一聲。「叮咚」客房服務鈴響起,瑠美回應後從裡面走了出來。看著瑠美穿著浴袍用慣用的手勢取過客房服務,我也進了浴室沖澡。像是要把過去的污穢全部流走似地,用沐浴巾用力擦著身體。

 

続つづく


世よが世よなら  如果生逢其時

その人ひとに都合つごうのよい時代じだいであったならば。 若是對於某人恰逢其時的時代的話。

押おし殺ころす 壓抑 / 抑制

感情かんじょうなどをおさえつけて、外そとへ表あらわれないようにする。  壓抑情感、不讓他表現出來。

秒読びょうよみ  倒數計時階段

ここでは、「時間的じかんてきに間近まぢかに迫せまっている状能じょうたいにあること」。
在這裡是指「時間上已經迫在眼前了的狀態」。

油断ゆだん(する)  疏忽

たかをくくって気きを許ゆるし、注意ちゅういを怠おこたること。 輕忽大意、不注意。

あえて  勉強

やりにくいことを押おしきってする様子ようす。無理むりに。
勉強去做難以完成的事的樣子。勉強。


日語造句

    • 世よが世よなら、お姫様ひめさまだったのよ。それが、こんな小ちいさな家いえに住すんでいるなんて・・・世よが世よなら、お姫様ひめさまだったのよ。それが、こんな小ちいさな家いえに住すんでいるなんて・・・
      她若是生於當年,就是個公主阿。但卻住在這樣小的房子裡…。
    • 笑わらいを押おし殺ころすのに、苦労くろうしたよ。笑わらいを押おし殺ころすのに、苦労くろうしたよ。
      很勉強的壓抑住笑聲、可不簡單啊。
    • 選挙せんきょも、いよいよ秒読びょうよみの段階だんかいだね。選挙せんきょも、いよいよ秒読びょうよみの段階だんかいだね。
      選舉終於也到了最後倒數階段了。
    • 「相手あいてのチームは弱よわいから大丈夫だいじょうぶ」と油断ゆだんしていたから、負まけてしまったんだよ「相手あいてのチームは弱よわいから大丈夫だいじょうぶ」と油断ゆだんしていたから、負まけてしまったんだよ
      「對手的隊伍很弱、沒問題的」說這樣輕忽對方的話,所以才輸的唷。
    • 言いいにくいことをあえて言いってくれるのは、親おやだけだよ。言いいにくいことをあえて言いってくれるのは、親おやだけだよ。
      。對我硬是說出說不出口的話的,也只有父母了。

Filed Under: 日本語 Tagged With: 東京帝国ホテル, 東京物語, 進階日語

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