e日本語教育研究所

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September 29, 2016 By Kay

東京物語-帝国ホテル-第8章

東京物語とうきょうものがたり–帝国ていこくホテル-第だいⅧ章しょう

撰文:まゆみ 翻訳:小鱉  録音:ハセガ

(第7章)

 フレッシュオレンジジュースとコーヒーの香かおりに包つつまれた朝あさ、俺おれは初はじめて瑠美るみと結むすばれた。まだベッドの上うえで余韻よいんに浸ひたっていると、俺おれのスマートフォンの振動しんどうが聞きこえてきた。時計とけいを見みると、6時ろくじだった。

在圍繞著新鮮柳橙汁與咖啡的香氣的早晨,我與瑠美第一次結合了。我還在床上沉浸在餘韻中時,聽到手機震動的聲音。看了看時鐘,已經6點了。

 昨日きのうの提携話ていけいばなしの記者会見きしゃかいけんをセッティングしていた広報部長こうほうぶちょうの竹中たけなかからの確認かくにんの電話でんわだった。

「それでいいよ。お前まえに任まかせる。」

と、返事へんじをし、電話でんわを切きった。その時とき、俺おれの頭あたまに浮うかんだのは、瑠美るみとの婚約こんやくを発表はっぴょうしてしまおうか、ということだった。成功せいこうすればするほど、俺おれを叩たたきたくなる奴やつも必かならず現あらわれる。しかし、慶事けいじと重かさなれば、それをあえて取とり上あげることをマスコミもしないだろう。まして、相手あいては・・・・いやいや、急きゅうにそんなことを言いい出だすなんて、できるわけがない。瑠美るみの母親ははおやだって、許ゆるすはずはあるまい。

是昨天安排記者見面會的廣告部長-竹中先生打來的確認電話。
「這樣就可以了。就交給你了。」
我回了話後,便掛上電話。那時,我想到的是要不要把和瑠美的婚事公開呢?隨著我的成功,想要打擊我的傢伙必定會出現。但是,和喜事重疊的話,媒體應該就不會硬是要拿這取材了吧。更何況
,對方…不不,根本不可能突然說出這種話。瑠美的母親不會允許的。

「ねぇ、透とおるさん、私わたしたちの婚約発表こんやくはっぴょうは、どうする?母ははには、昨夜ゆうべ、透とおるさんにプロポーズされて、二人ふたりでお祝いわいのシャンパン飲のみすぎたから、ホテルに泊とまるとだけメールしておいたんだけど・・・」

「お母様かあさまには、挨拶あいさつに行いかないといけないとは考かんがえていたよ。今日きょうは、大安たいあんだって、竹中たけなかがさっき言いっていたけど・・・記者会見きしゃかいけんするんだよ。午後ごご3時さんじから。また、一時いっときうるさくなるだろうなぁ・・・」

「嗯…阿透,我們什麼時候要公開結婚消息呢?我已經先傳訊息告訴媽媽,昨晚被阿透求婚,兩人一起喝香檳慶祝,因為喝太多所以就直接住飯店了…」
「我是這麼考慮,不去跟妳母親打聲招呼不行。雖然剛聽竹中說今天是黃道吉日…所以才舉行記者見面會。下午三點開始。一會兒又變得煩人起來了…」

「ねぇ、もし良よかったら、午後ごご、私わたしたちのことも言いっちゃったら?」

「えっ!!いいの?俺おれなんか、プロポーズするのに、断ことわられたらどうしようかと、ものすごく悩なやんでいたのに・・・大胆だいたんなこと言いうなぁ。」

「あらー!悩なやんでいる人ひとが、プロポーズの練習れんしゅうする?」

と言いいながら、俺おれの腰こしに手てをまわしてきた。

「するさ。断ことわられるにしても、プロポーズしないと、一生後悔いっしょうこうかいするし、それに、始はじまらないじゃないか、俺おれたちの生活せいかつ。勇気ゆうき出だしたんだぞ。」

そう言いって、瑠美るみを見みると、何なにかを考かんがえているらしく上うわの空そらだったので、ちょっと不安ふあんになった。慌あわてて俺おれは、瑠美るみの提案ていあんに応こたえた。

「欸,可以的話,下午不如就把我們的事說出來如何?」
「欸!?可以嗎?我阿、我連求婚時都一直煩惱著萬一被拒絕的話怎麼辦呢…
別那麼簡單的說出這種大膽的話啊。」
「哎呀!一直煩惱著的人
還練習求婚?」她一邊說著,手一邊環上我的腰。
「當然要練習阿。就算可能被拒絕,不求婚的話我一定會後悔一輩子的。而且,我們的生活不是還沒開始
呢?好,鼓足勇氣了。」我這麼說了後,看了瑠美,似乎在思考著什麼事的..,讓我變得有點不安。於是趕緊接受了瑠美的提議。

「あまりに突然とつぜんだけど、午前中ごぜんちゅうに瑠美るみの家いえへ挨拶あいさつに行いき、お母様かあさまに許ゆるしてもらえたら、午後ごご記者会見きしゃかいけんの時ときに発表はっぴょうしよう。でも、瑠美るみのところへもマスコミの奴やつらが行いくかもしれないけど、大丈夫だいじょうぶ?」

今度こんどは瑠美るみは俺おれの目めをじっと見みて、こくりとうなづいた。

「雖然很突然,不過我們上午還是先到瑠美家打個招呼,得到妳母親的允許後,就在下午的記者見面會時公布吧。但是,媒體記者們可能也會到瑠美家那裡去,沒問題吧?」
這次瑠美直直地凝視著我的眼睛,輕輕點了點頭。

「よーし。じゃ、秘書ひしょに電話でんわする。お母様かあさまのお好すきなものは?結納ゆいのうの品しなは・・・」

「透とおるさん、結納ゆいのうとかは、やめない?うちも父ちちが亡なくなり、母ははだけだし・・・伯父おじや伯母おばとかが出でてくると面倒めんどうだし・・・母ははは、透とおるさんとの結婚けっこんを待まち望のぞんでいたし、事情じじょうを話はなせばもちろん午後ごごの記者会見きしゃかいけんで言いうのも問題もんだいないと思おもうわ。私わたしだって、振袖ふりそでを着きて結納ゆいのうする年としでもないしね。」

「好。那麼,我打個電話給秘書。妳母親喜歡什麼?聘禮要…」
「阿透,下聘什麼的就不要了吧?因為我家也是父親過世了只剩下母親,讓伯父或伯母出面也很麻煩,而且我媽媽對於我要和阿透結婚非常期待,我也認為在下午的記者見面會公布這件事應該沒什麼問題。而我,
也不是穿著長袖和服受聘的年紀了。」

「じゃ、今日きょうは、お母様かあさまに許ゆるしをいただきに行いこう。」

「ねぇ、母ははに出でて来きてもらいましょうよ。透とおるさんは、午後ごごの準備じゅんびもあるだろうし・・・母ははは、時間じかんがあるんだし。私わたしが連つれてくるわ。じゃ、透とおるさんは家いえに帰かえる?それとも、会社かいしゃ?何時なんじに待まち合あわせする?午前中ごぜんちゅうよね?10時じゅうじにインペリアルラウンジアクアはどうかしら?その時間じかんなら、混こんでないでしょうし・・・」

と言いいながら、ルームサービスのワゴンをドアの外そとに出だしたり、俺おれが脱ぬぎ散ちらかしたバスローブを片付かたづけたりしていた。今いままでずっと俺おれの提案ていあんにうなずくだけだった瑠美るみが、別人べつじんのように急きゅうにてきぱき動うごき出だしたのには驚おどろいた。ましてや、今日きょうのスケジュールまで、瑠美るみの方ほうから提案ていあんするなんて・・・

「那麼,今天我們就去取得妳媽媽的許可吧。」
「欸、
就讓媽媽來吧。阿透你下午也準備好了吧…我媽媽也有時間,我會帶她一起去。那麼,阿透現在是要回家嗎?還是到公司?幾點會合呢?是上午對吧?10點在帝國飯店的皇家會客室如何?那個時間的話應該不會很多人…」
她一邊這麼說,一邊將客房服務的手推車推到門外,並把我脫得亂七八糟的浴衣整理好。我被至今都只是接受我的提議的瑠美,突然像另一個人似的爽快地行動的樣子嚇到了。甚至今天的行程,
想不到都是由瑠美所提議的…

「了解りょうかい。じゃ、申もうし訳わけないけど、お母様かあさまに来きていただこう。どうせなら、地下ちかの『なだ万まん』で、ランチを一緒いっしょにというのは、どうかな?個室こしつを予約よやくしておくよ。」

「でも、透とおるさん、打うち合あわせとか、いろいろあるんじゃない?ランチだって、先方せんぽうの会社かいしゃの方かたとか・・・」

「いや、お母様かあさまにわざわざお越こしいただくんだから、それぐらいさせてくれよ。こんな突然とつぜんの話はなしで・・・本当ほんとうにお母様かあさまは、大丈夫だいじょうぶ?じゃないと思おもうけど・・・」

「本当ほんとうに大丈夫だいじょうぶ。じゃ、後あとで時間じかんがはっきりしたら、メールしてね。」

「了解,那麼不好意思,就去請妳母親來吧。無論如何就這樣吧,既然如此就一起在地下的『なだ万』吃個午飯怎麼樣?我先預約包廂。」
「但是阿透,
不是要談商務嗎,且不是還有很多事情要處理嗎? 午餐也就跟客戶一起吃吧…?」
「
不,妳母親特地前來,最起碼讓我招待一下。倒是這麼突然,妳母親真的沒關係嗎?我覺得是不太好.. 的…」
「真的沒問題。那麼,之後確認確切時間後再發訊息給我喔。」

 身支度みじたくを整ととのえている瑠美るみの姿すがたを追おいながら、ここまで俺おれが望のぞむ方向ほうこうにどんどん話はなしが進すすんでいくことに恐おそろろしさに似にたものを感かんじていた。なんで、俺おれなんかを・・・瑠美るみほどの美貌びぼうの持もち主ぬしなら、今いままでにだって、縁談えんだんは山やまほどあったはずだ。家柄いえがらが吊つり合あうどこかのお坊ぼっちゃまとか・・・俺おれは、何なにを考かんがえているんだ。晴はれの日ひに、こんな卑屈ひくつなことを考かんがえるなんて、俺おれは相当そうとうなバカだな。

 また、俺おれのスマートフォンの振動しんどうが始はじまった。

我看著瑠美打扮好的儀容,對於至今不斷朝著我所希望的方向進行而感到疑似是恐懼的感覺。為何會是我?…至今為止,像瑠美這樣美貌的人,求婚者肯定是絡繹不絕。像是和她家世門當戶對的少爺之類的…我是在想什麼啊。在這樣晴朗的日子裡,想著這樣卑微的事什麼的,我真的是很白癡啊。
我的手機又再次震動了起來。

続つづく


AましてB 連A都…更何況B
 
Aの場合ばあいでさえそうなのだから、B場合ばあいはもちろんそうだという気持きもちを表す語。なおさら。いわんや。
表達「因為A的情況都這樣了,B的情況當然也是這樣」的心情。又,何況。

〜あるまい (否定)
 〜することはないだろう。
一定不會〜的吧。

大胆だいたん
 度胸どきょうがすわっていること。思おもい切きりよくやってのけること。また、その様子ようす。
有膽量,遇到事情不會慌亂。下定決心完成某事。以及、那個樣子。

上うわの空そら 心不在焉
 
他ほかの事ことに心こころが奪うばわれて、そのことに注意ちゅういが向むかないこと。また、その様子ようす。心こころが浮うわついて落おち着つかない様子ようす。
心神被其他事吸引,對某事心不在焉。或者,表示那個樣子,浮躁無法靜下心的樣子。

てきぱき 俐落、利索
処理しょりや対応たいおうがはっきりしていて、歯切はぎれのよい様子ようす。
乾脆地處理或應對,爽快的樣子。

日語造句

    • 大人おとなでも大変たいへんなのだから、まして、子供こどもには無理むりだよ。大人おとなでも大変たいへんなのだから、まして、子供こどもには無理むりだよ。
      即使是對大人來說都非常辛苦,更何況是對小孩子來說,是很勉強的
    • 彼女かのじょなら、忘わすれることはあるまい。大丈夫だいじょうぶだよ。彼女かのじょなら、忘わすれることはあるまい。大丈夫だいじょうぶだよ。
      她的話絕對不會忘記的。沒問題的。
    • 大胆だいたんなことをするわねぇ。お母かあさん、びっくりしたわよ。大胆だいたんなことをするわねぇ。お母かあさん、びっくりしたわよ。
      做了這麼有膽量的事呢。媽媽嚇了一跳喔。
    • 先生せんせいは大事だいじなことを話はなしているのに、ワンさんは上うわの空そらだった。先生せんせいは大事だいじなことを話はなしているのに、ワンさんは上うわの空そらだった。
      雖然老師說了很重要的話,但王同學卻心不在焉的。
    • ワンさんが、てきぱきと研究室けんきゅうしつの本ほんを片付かたづけてくれた。ワンさんが、てきぱきと研究室けんきゅうしつの本ほんを片付かたづけてくれた。
      王同學俐落地幫我把研究室的書收拾好。

Filed Under: 日本語 Tagged With: 東京帝国ホテル, 東京物語, 進階日語

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