「フラリーマン」
仕事が終わっても、まっすぐ家に帰らない「フラリーマン」と呼ばれる男性が街中に増えています。
長時間労働を減らし、職場の生産性を高めよう!そして、私生活も充実させよう!という国と企業の「働き方改革」「理想の働き方」の実現が進み、今まで、遅くまで会社にいたサラリーマンの帰宅時間が早まりました。しかし、今まで仕事中心の生活を送ってきた日本の企業戦士にとっては、突然の変化による戸惑いもあるようで・・・その結果、街をフラフラする「フラリーマン」が増えたのです。
家に帰ればいいじゃない?と思いますよね。簡単にそのようにはいかない、日本社会の歪みが見えてきます。
メディアのインタビューに答えていたある男性は、「共働きだと、家に早く帰っても、夕食もできてないし、慣れない家事をするのも面倒。一度、洗濯物をたたむのを手伝ったら、たたみ方が悪いと言われ妻と喧嘩になったんですよ。帰らないのが夫婦円満のコツです。」と。また、ほかの男性は「狭いマイホームには、自分の居場所がないんですよ。」と。ということで、カフェや公園でスマホをいじったり、時には、一つ手前の駅で降りてバッティングセンターに寄ったり・・・時間を潰して、程よい時間夜の8時過ぎに帰宅する人が多いそうです。
当然、自身が「フラリーマン」をしているとは、奥さんには伝えていないそうです。
「自分のために時間を使っていいんですよ」と突然言われても、環境が整っていない中、なかなか有意義な時間の確保に適応できないというのもわかるような気がします。
「フラリーマン」が街中からいなくなり、それぞれの家庭から笑い声が聞こえてくるようになってこそ、真の意味での「働き方改革」「理想の働き方」日本と言えるのではないでしょうか。
文: まゆみ/ 録音: KOSUKE
語彙:
早まる
時期・時刻が早くなる。「速まる」で、「速度が早くなる」
歪み(ひずみ)
あることの結果として現れた悪い影響。弊害。
たたむ
広げてあるものを折り重ねて小さくする。
程よい
ちょうどいい。具合がいい。適当である。
例文: