eスポーツ?
大学生が本気で「ユーチューバー(Youtuber)」や「プロゲーマー」を就きたい職業にあげる時代になった。
職業の選択肢が増えたと考えれば、良い時代になったと言えるが、違和感を覚えずにはいられない。動画投稿サイト「You tube」におもしろい動画や、役に立つ動画などをアップし閲覧者が増えることで広告収入を得るのが仕事になるのか?インターネット上などのゲームで闘い、その賞金で生きていくプロ・・・ただの遊びに思えるが、そんなことを言っていると時代に取り残されてしまうようだ。
「プロゲーマー」というより、「eSportsプレイヤー」という言葉の方が2018年現在では相応しいだろう。「eSports」とは、electronic sportsの略で、複数のプレイヤーで対戦するコンピュータゲームなどをスポーツ・競技として捉える際の名称である。格闘ゲーム、シューティングゲーム、スポーツゲーム、戦略ゲーム、カードゲーム、パズルゲームなどが対戦型ゲームと言えるだろう。
日本語では、「運動・体育」などと捉える「スポーツ」という言葉だが、英語本来の意味は「楽しむ・競技」という意味もあるそうだ。そこで、「eスポーツ」という言葉が生まれたという。ただ、「スポーツ」という言葉を使うことに「体を動かしてないじゃないか!」「汗をかかないスポーツなんてあるか!」などと反対している人々もいる。
とは言っても、世界各地で対戦型ゲーム大会が行われるようになり、大会規模はもちろん、大会賞金も大きく膨れ上がっているそうだ。世界中のゲームの競技人口は今や1億3000万人、そして、そのゲームを観戦する人は4億人近くもいるという。
国、年齢、性別などに関係なく空間を超えてチームになったり、対戦相手になったりできるのも、eスポーツ人気の一因だそうだ。まして、eスポーツで年収が億を超える人も出ているのだから、「職業」として認識されるのも当然だろう。
私自身は「eスポーツ」という日本語は、ためらわずに受け入れられる。趣味が仕事になるなんて、理想だとも思う。しかし、eスポーツもほかの競技同様、プロへの道は甘くはないことも事実だろう。余計なお世話かもしれないが、趣味なら楽しかったことも、仕事になると楽しくなくなることもあることも伝えてあげたいなぁ・・・などと考えている。
日本語中級 – 語彙:
違和感
周りのものとの関係が調和しておらず、しっくりしないこと。
取り残されて
そこに残したままにする。
相応しい
似つかわしい。似合っている。つり合っている。ぴったりだ。
膨れ上がって
数量などが、基準や予想を大きく上まわる。 「予算規模が-・る」
一因
一つの原因。
まして
二つ事例を並べあげて、前述の場合でさえこうなのだから、後述の場合はもちろん、の意味で使う。なおさら。いうまでもなく。さらに。
ためらわず(ためらわない)
辞書形は「ためらう(躊躇う)」で、「しようかしまいかと迷う。思い切りがつかなくて行動に移れない。躊躇する。」の意味。「ためらわず」は「迷わない」「躊躇しない」。
余計なお世話
不必要なおせっかい。自分にとっては必要のない相手の手助けや助言を拒絶する時に言う。
文: mayumi / 録音:KOSUKE
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